他に相続人がいないことの証明(1)
不動産の相続登記や相続に伴う預貯金の解約手続等を行う場合、相続人を確定するために亡くなった方の出生から死亡に至るまでの戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本の提出を求められることがあります。
本籍地が同じ市区町村にある場合はそれ程手間もかからないのですが、ご住所を移転する度に本籍地も移転されているような場合には一つ一つ戸籍を遡って取得しなければならなかったり、遠方の役所に本籍地がある場合には郵送での取り寄せが必要になったりで、慣れない方にとっては時間も手間もかかる作業になります。
さらに、少しずつ戸籍を遡るにつれて達筆な手書きの戸籍が登場し、一体何が書いてあるの?という戸籍に出くわすこともしばしば・・・。
そんな面倒な作業をしている中で、戸籍(除籍・改製原戸籍)が保存期間の経過によって取得できない。と言われてしまう場合があります。
もともと(平成22年6月1日以前)、戸籍・除籍・改製原戸籍謄本には以下のとおり保存期間が決められていました。
※戸籍法施行規則等の一部を改正する省令により、平成22年6月1日以降は保存期間が150年とされております。
- 戸籍簿・・・除かれるまで
- 除籍簿・・・除籍された翌年から80年
- 改製原戸籍・・・種類により50年・80年・100年
上記のうち、100年の保存期間となっていたのは平成6年12月1日以降に戸籍がコンピュータ化された場合のコンピュータ化前の戸籍のことですからその保存期間が問題になるのは先の話でしょう。
それ以外の除籍・改製原戸籍について、50年・80年保存していれば十分では?とお感じになる方もいらっしゃるかもしれませんが、最初に書いたとおり、相続の手続を行う際には亡くなった方の出生まで遡って戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本を取り寄せなければならず、また、先代・先々代・先々々代の名義になったままの不動産の相続登記をしなければならないという場合も珍しくありませんので、必要な戸籍が揃えられない・・・という場合も多々あるのです。
面倒な郵送の手続をしたり、役所まで足を運んでたまには役所の担当の方のあまりよろしくない態度(最近の役所の方はとても親切な方がほとんどです。)に腹を立てたりしながら手間ひま掛けて戸籍を集めたのに、国の都合で決められた保存期間が経過したから戸籍を取れず相続手続も出来ないなんて・・・、そもそも出生から死亡に至るまでの戸籍が揃わないと何がいけないの?何でそんな面倒なことをしなければならないの?と怒りの矛先がこちらに向かってきそうになることがたま~にあるのですが、もちろんそれで相続手続が出来なくなってしまうということではありません。
ではそんな場合にどうすればいいのか?という本題については次回ということで・・・。
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