所内勉強会より。

司法書士のもみきです。

先週から週に1回、所内勉強会を行うことにしました。

初回は司法書士稲本による代表取締役の選定方法と登記手続について。

先日あやうく間違えそうになった事例をもとに知識を整理して発表してくれました。

株式会社(取締役会非設置会社)の代表取締役の変更登記の事例だったのですが、その会社の定款には以下のとおり代表取締役の選定方法が定められていました。

『取締役が複数の場合は、株主総会の決議により代表取締役1名を選任する。』

この会社で代表取締役A、取締役BのうちAが取締役を辞任(代表取締役は資格喪失により退任)したのですが、辞任の結果、取締役はBのみとなりますので、定款規定に従って当然Bが代表取締役になるので、登記の内容は「取締役A辞任」「代表取締役A退任」「代表取締役B代表権付与」?

代表取締役を株主総会で選定するという規定もそれ程多くありませんし、当事務所では「代表権付与」という登記事項で 登記した事例があまりなかったので念のため確認してみると・・・、とやっぱり違いました。

代表取締役を株主総会で選定するとしている会社の場合、代表取締役が退任しても他の取締役の代表権は当然には復活しないのですね。

難しくいうと、代表取締役の選定方法は「直接選定方式」「間接選定方式」に分かれています。

  • 代表取締役を定款で定める場合、株主総会で選定することとしている場合が直接選定方式。
  • 代表取締役を取締役の互選で選定するとしている場合、取締役会で選定する場合が間接選定方式。

直接選定方式の場合は代表取締役の地位と取締役の地位が一体であり、代表取締役以外の取締役は代表権を剥奪された取締役として選定されるというような説明がされていて、そこから間接選定方式の代表取締役と手続上の違いが出てきます。

〔直接選定方式の場合〕

  • 代表取締役と取締役の地位が一体なので、ある人が株主総会で新たに代表取締役に選定された場合の登記には取締役としての就任承諾書を添付すれば代表取締役としての就任承諾書は不要。
  • 代表取締役の地位のみを辞任することはできない。
  • 上記事例でAが辞任してもBの代表権は当然には復活しない。

〔間接選定方式の場合〕

  • 代表取締役の地位と取締役の地位が分かれているので、ある人が株主総会で取締役に選任され、取締役の互選で代表取締役になった場合の登記には取締役の就任承諾書とは別に代表取締役の就任承諾書が必要。
  • 代表取締役の地位のみを辞任することができる。
  • 上記の例で「取締役の互選により代表取締役1名を選定する。」という定款規定であれば、Aが辞任すればBは当然に代表取締役となる。

日常的に登記手続を扱って、何でも分かっているつもりでいると時折りこのような事例にぶつかって一瞬迷ってしまうことがあるのですが、こんな気付きを所内で共有して知識の再確認し、また、お客様に分かりやすい言葉で説明する練習にもなりますので今後も勉強会は継続していこうと思っています。

次回プレゼンターは司法書士髙木。

どんなテーマでどんな発表をしてくれるか楽しみにしています!

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