借りぐらしのアリエッティと出世払債務について
こんにちは!
スタッフの中村です。
今日も暑かったですね。
今回は、少し前に観た
『借りぐらしのアリエッティ』
の感想を。
まずはじめに、中村の個人的主観によるこの作品の評価(以下『ナシュランガイド』と略します)は星2つです☆☆
ちなみにナシュランガイド的には5つ星☆がMAXです。
そうなんです。
一言で表現するならイマイチでした。
残念です。
以下理由を述べます。
☆よかった点☆
・ドラえもん的発想(あんなコトいいなできたらいいな的な発想)で小人の視点を疑似体験できたコト
・スタジオジブリならではの古き良き日本の描写は健在
★残念だった点★
・ストーリーにあまり抑揚がなく淡々とした展開
・ナウシカやもののけ姫のような往年の名作にあったようなメッセージ性はほぼ皆無
・人物、背景ともに和風テイストなのになぜか主題歌が洋楽というミスマッチ(おそらく原作のイメージを優先したため)
という感想でした。
次回作こそは、魂が震えるような宮崎駿作品に出会えるコトを期待したいです。
ところで、作品中で何度か
「カリに行く。」
というセリフが出てきます。
この「カリ」は『借り』と『狩り』をかけていたようですが、タイトルからも分かるようにどちらかというと『借り』の意味合いが強いと思います。
だとすれば、とりあえず思いつくのは賃貸借・消費貸借・使用貸借の3つです。
そのうち、作品中の「カリ」の対象が角砂糖やティッシュ(金銭その他の代替物)であったコトを考えると消費貸借で決まりでしょう。
消費貸借であるならば、後に同種・同等・同量の物を返還しなければなりませんが、アリエッティ一家が弁済した様子はありません。
また、作品中で出世払い特約付き債務(出世払債務)とも受けとれるような描写?がありますが、仮に出世払債務だとすれば出世が確定した時点、または出世の見込みがなくなった時点で弁済する義務が生じます。
出世払債務についての判例の立場は、原則として停止条件ではなく不確定期限と解しているからです。(大判大4.3.24)
しかし、ストーリーでは出世の見込みがないどころか永遠の別れとなってしまいます…
一体、いつどうやって弁済するのか?
まさか…カリパク?
カリタママパクリッティ??
タイトルに偽りアリだなぁと思ったのは私だけではないのではないでしょうか。
というわけで、諸々事情を総合的に考慮した結果…
星2つです☆☆
それにしても、大正の頃から出世払債務についての争いごとがあったのかと思うと、きちんとした契約書を作成しておくコトの重要性を改めて認識させられますね。
当事務所でも、お客様の登記事件に関しての登記原因証明情報となりうる契約書については、作成を承っております。
いつでもお気軽にご相談ください!
では。